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危機管理マニュアル

就労準備型放課後等デイサービス トランジットジュニアの「危機管理マニュアル」のページです。

はじめに

このマニュアルは、全ての職員が火災、災害、事故・事件等のあらゆる危機に対し、的確かつ迅速に対応又は予防するために必要な事項を定めて、児童・保護者・職員の生命及び健康を守ることを目的とする。

危機の定義と摘要

危機とは、火災、地震、風水害、その他天災、食中毒、感染症、大気汚染、交通事故、その他の事故、事件等において、来所児童及び職員に対して安全を脅かす全ての事象を対象とする。その範囲は、トランジットジュニアの全ての職員に対して、事業所及び敷地の内外、管理の有無及び時間帯を問わず、危機的状況が発生した場合は全ての来所児童を保護者に安全確実に引き渡すまで、このマニュアルを最大限に優先し適用する。

Ⅰ 危機管理における指揮権

危機発生時において的確な命令を指示する指揮権者の存在は絶対的に必要なことであり、指揮権者が不在の場合の次席者又は代行者を日常から選任しておく必要がある。選任された者はこのマニュアルの対応を基準に、児童・職員の生命の保全を最大の目的として指揮しなければならない。

1 基本的指揮権

基本的指揮権とは、日常の支援業務において命令・指示権を持つ者で、順位としては次の各号通りとする。

  1. 管理者
  2. 児童発達管理責任者

指揮権者は生命の安全を最大の目的とし、このマニュアルのⅡ章及びⅢ章の対応を規範的確な指示を職員に伝えること。

2 事業所内において危機的状況が発生したの指揮権順位

通常の療育時間中に危機的状況が発生した場合においては次の各号の順位に基づき指揮命令を受けること。指揮権者が不在又は、指揮を司ることが出来ない場合は次位者が指揮権者となること。

  1. 管理者
  2. 児童発達管理責任者
  3. 正職員

※ 複数の職務者がいる場合は職務経験の長い順に指揮権者とする。

Ⅱ 危機における対応と予防

1 地震発生時における予防と対応

(1) 予防(事前の環境整備)

消防防災計画規定第22条に基づき、事業所で行う震災避難訓練は、大規模地震時において、子どもの生命を守るための具体的な方法を職員一人一人及び児童が身につけるためのものである。そのためには、いつ地震災害が発生しても適切な対応ができるように環境を整えておくことが大切である。また、近隣住民との合同で避難訓練を実施するなど、地域と密接な協力・連携ができる関係を築いておくことも必要である。

① 避難訓練実施計画
・併設施設や近隣住民、又は消防署との合同で地震を想定した訓練を実施する。
・緊急避難訓練を実施する。(児童と指導員が地震時の一時待避場所への移動など)
・安全確認訓練を実施する。(指導員が人数・安全確認をする )
・避難通路・経路の確認をする。
・災害非常持ち出し袋の中の備品や毛布の使用方法を習得する。
・地震発生時における各職員の役割分担を確認する。(別表1)
② 保護者への事前連絡
・保護者へは、事前に緊急時における事業所の対応及び避難先を周知する。
・保護者からは毎年4月に携帯等の緊急時連絡先を聴取するとともに、緊急連絡先一覧 の確認と訂正を行い、事業所において非常持ち出しができるよう整理集約をする。

③ 施設設備の点検等
・地震時に、転倒しやすい家具・電化製品・備品などの転倒防止がなされているか点検する。
・地震後に、万一出火した時に備え、消化器の所在を確認しておくとともに、正しい使用方法を習得し使用できるようにする。
・避難経路に障がい物等がないことを常に確認する。
・防火責任者を明示し、責任をもって日常の点検と整備をきちんとする。
・指導員は、日常の療育環境を整備しておくとともに、日頃の療育の中で子どもの行動特性をしっかりと把握する。
・緊急時連絡掲示用の掲示を用意しておく。

避難誘導・救護係情報伝達・指示係初動消化係
発災誘導(主に指導員)
① 児童の安全を確保する。
② 施設外に避難させる。
③ 一時避難完了後情報し、伝達係の報告をする。
確認(主に管理者・児童発達管理責任者)
① 全職員・児童に震災を周知させる
② 火気の確認と非常持ち出し消火器等の確認をする。
③ 児童及び職員の安全確認と人数確認
初動対応
① 火の元を閉じる
② 発電盤点検、ガス漏れ点検
③ 火災発生の場合は初期火行動に移る。
救護(主に指導員)
① 救急用品を確保する。
② 負傷した児童の応急処置などを行う。
③ 救護スペースの設置確保を行う。
④ 情報伝達係へ報告する。
1時間① 児童を保護し、保護者へ引き渡す。
② 残留児童を安全な場所へ移動させて保護する。
① 施設の安全点検及び確認
② 周囲の建物の状況確認
③ テレビ・ラジオ等による情報聴取
① 施設の安全点検及び確認
② 周囲の建物及び近隣
住民の安全状況確認
6時間④ 職員の役割分担、指揮権を確認
⑤ 避難場所への経路の確認
③ 近隣住民が避難してきた場合の対処を行う。
④ 事実の状況確認は情報伝達係に伝える
23時間
1日① 児童を保護し、保護者へ引き渡す。
② 児童を避難所に移送する。
① 状況により職員を帰宅させる。
② 避難所に移動する際の職員を確保
2日
3日① 事業所再開の組織作りをする
② 職員の確保
③ 訓練室の確保-事業所内で使用可能な部屋の確保
④ 児童・保護者の居住状態の確認
⑤ 再開の際の周知方法を検討する
⑥ 最低限の書類を事前に作成する

(2) 大地震発生時の対応

① 事業所内で地震がおきた場合
・避難誘導・救護係(指導員)は、児童が安心できるようなことばをかけ、具体的に姿勢を低くして落下物から身を守るよう指示して、緊急避難させる。
・避難誘導・救護係(指導員)は、棚・電球・窓ガラス、その他倒れやすいものなどから 児童を遠ざけ、落下物から身を守る対応をする。(毛布・布団等を利用)児童及び職員は、机やロッカーなどの下に身を隠し、揺れが収まるまで様子を見る。
・職員はできるだけ、速やかに戸やサッシ等を開けて避難口を確保する。
・介助を必要とする児童は 職員がおぶったり抱いたりして安全な場所に避難させる。
・揺れが収まったら、一時駐車場へ避難し、全児童と職員の安全と人数の確認を行い、初動消火係と情報伝達・指示係で施設の点検をし、管理者又は代理へ報告する。
・避難誘導・救護係(指導員)は指示があるまで駐車場で座って待機する。事業所内には安全が確認できるまでは立ち入らない。
・初動消火班は、速やかに火の元を閉じ、揺れが収まってからガスや配電盤を点検し、安全を確認する。もし、事業所内及び近隣において火災が発生した場合は消火活動を行う。

② 事業所外で地震がおきた場合
・揺れを感じたらただちに児童を集めて、できるだけ塀や建造物から遠ざけ、安全な場所に集めしゃがんで座り、児童が安心できるようなことばをかけ、揺れの収まりを待ち、その後速やかに指導員は児童の安全確認を行う。
・地面の亀裂・陥没・隆起・頭上の落下物に注意する。
・ブロック塀・自動販売機・屋根瓦・ガラスその他落下及び転倒物に注意する。
・切れた電線には絶対触らないよう児童に注意する。
・携帯電話で事業所(代表)に連絡を入れ、必要な場合は事業所に応援を要請する。指導員は児童とともに近隣の安全な場所で一時待機する。
・全員が無事で自力で戻れるようなら安全を確認しながら、慎重に事業所に戻る。

③ 事業所外
《事前調査》実地踏査の際、目的地の状況を把握する。
《事前調査》地震が発生した場合の安全な場所の確認をしておく。
《事業所外療育中》児童の安全第一に対応し、落ち着いて行動する。 
《事業所外療育中》事業所外療育は中止し、児童の安全を確保してから携帯電話にて事業所(代表)に連絡を入れる。災害の状況により応援を求めるなどをして事業所に帰る。連絡が取れない場合は、現場の指揮権者の判断で行動する。
《目的地までの途中》バス等乗り物に乗っている場合は、運転手・添乗員の指示に従う。
《目的地までの途中》徒歩の場合は、近くの安全と思われる場所に避難する。
《目的地までの途中》ビルの窓ガラスの破片等落下物に注意する。特に切れた電線、又は水たまり・ガードレール等を通して感電することがあるので充分注意する。

④ 児童の引き渡し
1)児童の引き渡しは、管理者又は代理の指示によって行う。役職者がいない場合は、職務経験の長い者が行う。
2)児童の引き渡しは、事業所又は駐車場にて職員が行う。
3)可能なかぎり、児童は保護者に引き渡す。代理人への引き渡しの場合は、指導員と管理者又は代理のものとの複数の職員による立ち会いの元に、その代理人の本人確認と署名(児童本人にも確認)をもらい、引き渡すこととする。但し、状況によっては拒否することも視野に入れる。

⑤ 残留児童の保護
保護者が営業時間内に児童を引き取ることが困難な場合は、保護者等が引き取りに来るまで事業所において原則24時間は児童を保護する。その後は行政の設置した救援所へ移動する。
1)夜間や建物の倒壊や火災などのおそれがある時は、避難所へ避難し、そこで保護する。その場合、管理者又は代理は避難先等の行き先がわかるように、 玄関付近に立て札や掲示板等で掲示し、保護者に伝達できるよう可能な手段を講じる。
2)児童を保護するために必要な食料等は、行政の防災体制が機能するまでの間は、事業所の備蓄食料品で、できる限り対応する。
3)職員は、残留する児童の数、その他必要な事項を記録し、管理者に報告する。
4)事業所で震災後24時間が経過し、かつ親の安否が確認できない場合や、近隣の親族が引き取りに来られない場合は、災害遺児として第二次避難地に移送する。

 ⑥ 避難
大地震が起きてもすぐに事業所を離れるのではなく、事業所や周囲が火災発生したり、そのおそれがある時や事業所の被災が大きく危険であると判断した時に、第2次避難地や行政の指定する震災救援所等の一時集合場所に避難する。
1)震災救援所への避難
事業所より避難の際は、行政が事前に指定する震災救援所に、状況を確認しながら避難する。日頃より経路を把握し、児童を安全に誘導できるように、列を維持しながら前後にできるだけ複数の職員を配置して移動する。また、避難する際は、児童の安全確保を第一とするが、緊急連絡先一覧、非常持ち出し袋(避難確保資器材)等、最低限の物を持ち出す努力をする。
2)広域避難場所などへの避難
周囲に大火災が発生した場合、原則として避難所に行き、そこから地域の人と一緒に防災市民組織や消防・警察等の誘導により、他の震災救援所や広域避難場所に避難する。
3)事業所を離れる際の注意
事業所を離れる場合は、迎えに来る保護者に所在を明らかにするために必ず、行き先がわかるように建物などに掲示をする。

⑦ 児童又は職員が負傷した場合
1)応急処置は、日頃より事業所に備えてある救急薬品で手当する。
2)中程度以上の負傷者は近隣の病院又は、医療救護所で手当を受ける。
3)さらに救命・救急措置が必要な重傷者・重篤者は、医療施設に搬送し、治療を受ける。

2 警戒宣言が出された場合の対応

① 警戒宣言が出された場合の児童の引き渡し
警戒宣言が行政または、報道等により発令された場合、時間を問わず、児童は速やかに保護者等へ引き渡すこととする。
《連絡方法》各家庭に管理者、児童発達管理責任者、主任が事業所より緊急連絡表を使い連絡し、速やかに迎えを要請する。その際に誰が迎えに来るのか必ず確認する。
《引き渡し方法》園児の引き渡しは、管理者又は代理の指示によって行う。
《引き渡し方法》引き渡しは、原則として訓練室で指導員が行う。
《引き渡し方法》可能なかぎり、児童は保護者に引き渡す。代理人の場合は、指導員と管理者立ち会いの元に、その代理人の本人確認と署名(児童本人にも確認)をしてもらい、引き渡すこととする。

3 火災時における予防と対応

消防防災計画規定第22条及び児童福祉施設最低基準第6条に『避難及び消火に対する訓練は、少なくとも毎月1回は、これを行わなければならない』と規定されている。事業所で行う避難訓練は、様々な災害時に子どもの生命を守るための具体的な方法を職員一人一人が身につけるためのものである。そのためには、いつ災害が発生しても適切な対応ができるように環境を整えておくことが大切である。また、近隣住民との合同で避難訓練を実施するなど、地域と密接な協力・連携ができる関係を築いておくことも必要である。

(1) 事前の環境整備

① 避難訓練実施計画
1)近隣住民との合同で、様々な火災状況を想定した訓練を実施する。
2)消火訓練を実施する。(初期消火・消火器・消火栓の取扱いなど)
3)通報訓練を実施する。(消防署・近隣住民)
4)避難通路・経路の確認をする。
5)火災報知設備及び非常ベル、非常通報装置の使用方法を習得する。
6)火災発生時における各職員の役割分担を確認する。

② 保護者への事前連絡
1)保護者へは、事前に緊急時における児童の対応及び避難先を周知する。
2)保護者からは毎年4月に携帯等の緊急時連絡先を聴取するとともに、緊急連絡先一覧 の確認と訂正を行い、事業所において非常持ち出しができるよう整理集約をする。

③ 施設設備の点検等
1)出火元となりやすい電化製品・ガス器具・コンセント・配線、配電盤等の正しい使用方法の習得及び正常に作動しているか点検する。
2)万一出火した時に備え、消化器の所在を確認しておくとともに、正しい使用方法を習得し使用できるようにする。
3)避難経路に障がい物等がないことを常に確認する。
4)防火責任者を明示し、責任をもって日常の点検と整備をきちんとする。
5)指導員は、日常の療育環境を整備しておくとともに、日頃の療育の中で子どもの行動特性をしっかりと把握する。
6)緊急時連絡用の掲示をする。

(2) 火災発生時の手順

① 発生時の基本的な流れ
火災発見 → 報告 → 通報連絡 → 避難誘導 → 初期消火
② 療育中に火災が発生した場合
1)火災の発生を発見したら(第一発見者)大きな声で周りの職員に知らせる。
2)知らせを受けた職員は、速やかに管理者及び他の職員に火災の発生を知らせる。
3)第一発見者及び知らせを聞いた職員は、可能な限り初期消火に努める。
4)各職員は、管理者又は代理の指示に従い無駄なく的確な行動をする。
5)消防署への通報
6)子どもの避難誘導(子どもの人数の把握及び責任者への報告)
7)地域住民・関係機関への連絡
8)落ち着いて行動することを心がけ、子どもに動揺を与えないように努める。
9)出火元・火のまわり具合・煙・風向き等を考え、より安全な方向場所に避難する。
10)安全な場所まで避難した後で、状況により保護者に連絡をし、子どもの引き渡しをする。(保護者の緊急連絡網及び園児居住地一覧は必ず持って避難する)
11)火災により翌日以降療育を行うことが困難な場合は、管理者より行政に連絡し今後の対応について相談する。

4 その他の自然災害における対応と予防

(1) 風水害及び台風

① 事業所で療育中に風水害及び台風が発生した場合
・強風や大雨の際は、訓練室で児童が落ち着けるように配慮する。
・風で飛ばされるような植木や玩具・その他飛ばされやすいものなどを点検し撤去する。
・漏水等を発見したら速やかに事務所へ報告する。
・窓からできるだけ離れた場所で過ごすよう配慮する。
・停電の可能性も視野に入れ懐中電灯も確認と点検をする。

② 営業開始前に風水害及び台風が発生した場合
・出勤前の職員はラジオ・テレビ等で情報を把握して早めの出勤を心がけるよう配慮する。
・交通機関を利用する職員で災害等で交通機関が不通になった場合は、できるだけ事業所に連絡を入れてから一旦、自宅へ戻り、災害の状況を把握して安全な状況になってから出勤すること。
・児童の受け入れは、基本的に事業所に異常がなければ、通常の療育を行うが、早めのお迎えに協力してもらうよう保護者に声をかける。

③ 風水害等により事業所に被害が出た場合
・風水害等により事業所に被害が出た場合、児童の安全を最優先に被害のない箇所にて療育を行い、できるだけ早く保護者にお迎えの連絡をして引き渡すこと。
・翌日以降の事業所の業務ついて管理者は、速やかに決断して保護者と職員に周知できるよう掲示及び連絡すること。

④ 残留児童の保護
保護者が保育時間内に園児を引き取ることが困難な場合は、保護者等が引き取りに来るまで事業所で児童を保護する。その他の詳細は 《 1 地震発生時における予防と対応-(2)大地震発生時の対応 ⑤残留児童の保護 参照のこと》

(2) 落雷

落雷は、発生する前に雷雲が発生し、天候のくずれから予測することができるので、事業所内にいる場合は建物へ速やかに避難することが可能であるが、事業所外療育等の時に落雷の虞を予測した場合は、以下のことを頭に入れて避難するのが望ましい。

① 事業所で療育中に落雷が発生した場合
1)落雷時前後は雨が降ることが予想されるが、雷(電流)は、物体の中を流れるとき、表面の方を多く流れ、中心部を流れる電流は少なくなるという表皮効果があり、このために雨宿り等で軒先や柱にいることは大変危険であるので待避場所は慎重に選択しなければならない。
2)周囲の木より高い木の幹に寄りそい雨宿りすることも前項の理由による避けること。

5 事故発生時における対応と予防

事業所における子どもの事故は、発育発達と関連するものが多く、十分な予防や対策を実施すれば大部分は防止可能である。また、事業所が子どもの保護者に対して事故防止を啓発・教育することも重要な役割であり、子どもを扱う全ての職員が連携し、 事故防止に努める必要がある。そのためにも職員は、事故発生時に備えて応急手当や適切な事故 対応・保護者対応を身につけておくことが大切である。

(1) 事故発生時の対応

① 事故発生時の基本的な流れ

      事故発見 → 事故児への対応 → 応急手当・状態の観察
           → その他の児童への対応
           → 連絡・通報 → 管理者 → 保護者
                   → 関係機関・救急車
                   → 代表
 
② 事故発生時の対応
1)管理者又は代理は事故の状況を速やかに把握し、記録する
ア 事故の状況・原因・場所・時間
イ 子どもの状態(出血や打撲の有無・顔色・全身の状態)
ウ 事実に基づいた記録(とりあえず、メモ・走り書きでもよい)
2)協力者・応援者を求める
ア 必要処置の判断は、単独で行わない。
イ 日頃から、連絡の分担など対応の仕方を、全職員で確認する。
3)医療機関への受診は保護者より事前にかかりつけ医などを確認し、受診する旨の承諾を得てから医療機関にかかる。

4)下記のような症状の場合は、救急車を要請し、すぐに医療機関に受診する。
ア 意識がもうろうとしたり、うとうとしている。
イ 顔色が悪く、ぐったりとしている。
ウ けいれん、ひきつけを起こしている。
エ 出血が止まらない。
オ 吐き気や嘔吐を繰り返している。
カ 化学物質を誤飲した。
キ 熱傷や火傷の面積が広い。

5)医療機関へ受診する際は、管理者又は児童発達管理責任者が付き添い、処置に必要な 上記1)の情報と子どもの既往歴やアレルギーの有無、体重などを医師へ伝える。
6)保護者への対応は、事故の発生状況・医療機関の診察・検査結果・今後の受診・費用等をきちんと説明し理解を求める。いかなる状況の事故であっても、療育時間中に発生した事故である以上は、細心の注意と誠意をもって対応する。
7)管理者又は児童発達管理責任者は、事故後、速やかに〖事故報告書〗を作成し、事故発生の状況分析を行い、今後の事故防止対策及びより高度な対応について全職員で確認する。

(2) 事故対応計画

管理者又は代理は、事前に事故に対する計画を策定し、職員や保護者に周知して毎年内容を見直さなければならない。

① 事前情報収集
1)管理者又は児童発達管理責任者は、児童の既往症・アレルギーの有無・かかりつけの医師の有無、健康保険証番号、保護者の緊急連絡先など、事故発生時に備えた情報を収集し記録する。
2)管理者又は代理は、事業所の近隣に所在する医療機関等の診療内容や診療時間等の詳細な情報を収集し、職員に周知する。
3)管理者又は代理は、日常において、事業所における医薬品や救急救命講習修了者等の把握を行う。
4)管理者又は代理は、日常の事業所内全体・駐車場・敷地内においてあらゆる事故を想定し、その危険を取り除く方策を講じなければならない。

② 事故発生時対応フローチャート
1)管理者又は代理は、事故発生時の対応をわかりやすくフローチャート(別紙1及び2参照)にしたものを作成し、全職員に配布して周知徹底を計らなくてはならない。

③ 事業所外での活動についての諸注意
職員は、日頃から事業所周辺や経路の危険・注意箇所を把握・確認する。 また、子ども一人ひとりの行動特性や、性格を把握することも大切である。事業所の外に出る時には、子どもに危険な行為について注意することや、各職員の事故に対する意識の徹底を図ることが重要である。

1)事業所外療育へ出発前に担当指導員は、子どもの人数を確認し、引率の職員全員に周知する。
2)事業者外へ移動中の際、交通車両や信号等において危険を予測できるような場面においては、引率の職員同士で児童に、注意の声かけを積極的に行うようにする。
3)目的地にて視界の効かない範囲には、必ず指導員が付き添うようにする。また、常に子どもの動きに注意をはらい、人数の確認は怠らないようにする。
4)帰園時、管理者又は代理は、子どもの人数と状態を確認する。

6 事件発生時における対応と予防

事業所における子どもの事件は、近年確実に増加しており、その内容は第三者における計画的・偶発的な犯罪行為であることが予想される。そのため事業所においてできる限りの防犯対策を検討しておくことが必要とされている。また、これまで以上に保護者や地域との連携に努めるとともに、警察等関係機関に協力を求め、子どもの安全確保及び危機管理のための方策を講じることも必要である。

(1)施設面の対応

① 事業所の出入り口の管理
1)事業所の運営上支障のない場合は、施錠するように努める。ただし、避難時にはすぐ対応できるように工夫をする。

② 設備等の点検
1)管理者又は代理は、日常的に設備の点検を行い、不備な箇所は速やかに補修等の対応を行わなくてはならない。
2)管理者又は代理は、防犯上必要と思われる設備の検討を職員と毎年行わなくてはならない。

(2)職員・関係機関の対応

① 職員
1)管理者又は代理は、職員一人ひとりの危機管理意識を徹底させる為の会議や研修を計らなければならない。
2)見知らぬ来所者を確認した時の対応を各職員に周知徹底させる。
3)業者等の来所者が作業に当たる場合は、必ず全職員に知らせる。
4)職員への非常通報システムの取り扱いの周知徹底を計る。
5)保育士・児童指導員は児童に対して計画的な安全指導を行う。
6)管理者又は代理は、警察や行政機関等公的な機関からの情報に対しては全職員に速やかに周知し、児童の移動や施錠の確認等適切な対応を行う。

② 関係機関・保護者
1)必要に応じて、警察(最寄の交番)に警備の強化を依頼する。
2)管理者又は代理は、地元の消防団や防災会との連携も計れるように連絡をしておく。
3)保護者へは日頃から『送り迎えは原則、保護者が行う 』など、保護者にも危機管理意識を持ってもらうよう働きかけ、安全管理を図るうえで必要なことは、時期を失せずに状況を説明のうえ協力を依頼する。
4)近隣で事件等が発生した場合は保護者に状況・事情を説明する又は、文書の配布・掲示する。

(3)児童及び職員等に危害が及ぶ事態となった場合の対応

① 子どもの安全確保
1)児童の安全を最優先に考え職員が複数いる場合は、片方が手近な備品で相手に対峙し、もう片方が児童の待避行動を指導して待避する。
2)非常通報システム等を使用し、警察に通報する。
3)相手には、できるかぎりの複数の(男性)職員で対峙が望ましいが、凶暴な場合や凶器を持っている場合は、速やかに待避する。
4)子どもの安全を確保したうえで、保護者に緊急連絡する。

7 光化学スモック等大気汚染発生時における対応と予防

光化学スモッグとは、自動車やエ場・ビルなどから排出された、窒素酸化物・炭化水素等の大気中の汚染 物質が、太陽の紫外線を受けて複雑な光化学反応を起こしオゾン、パーオキシアシナイトレート、ニ酸化 炭素などの酸化性物質や、アルデヒド等のいわゆる二次汚染物質が高濃度になって発生する現象である。酸化性物質をオキシダントと総称し、また、光化学反応によって生成されたオキシダントのうち、二酸化窒素を除いたものが光化学オキシダントといわれている。この光化学オキシダントが、光化学スモッグの 汚染程度を示す指標とされている。

(1)光化学スモッグ

① 光化学スモッグが発生しやすい気象条件
1)紫外線がある程度以上に強い薄曇りから晴れの日で、気温が20℃以上の日
2)風が弱い(風速4以下)日
3)もやがかかったように視界がかすむ状態のとき

② 光化学スモッグによる人体への影響
1)目やのどが刺激され、チカチカしたり痛くなったりする軽い症状から、めまい・吐き気・頭痛・脱力感・しびれなど全身症状まで含んだ急性症状がある。
2)目やのどの痛みなどの粘膜刺激症状や咳、息苦しい呼吸器症状など人の健康に直接影響がある。

(2)光化学スモッグ注意報等の発令

① 発生要件
1)市内各所に設置した測定局でのオキシダント濃度が基準以上になった時、気象条件からみてその状態が継続されると認められるときに発令される。

② 発令の種類
1)光化学スモッグ注意報(オキシダント濃度0.12ppm)
2)光化学スモッグ警報(オキシダント濃度0.24ppm)
3)光化学スモッグ重大緊急報(オキシダント濃度0.40ppm)

③ 事業所への連絡体制
1)札幌市が発表する光化学オキシダントの注意報・警報の発令及び解除の情報収集を計る。

④ 光化学スモッグ注意報等発令時の対応
1)児童・職員は、原則として屋内に入る。
2)屋外運動は差し控える。
3)不要不急の自動車使用をなるべく控える。

⑤ 光化学スモッグによる被害発生時の対応
1)目がチカチカしたり、のどが痛くなるなどしたら、児童・職員は速やかに屋内に入る。
2)すぐに洗眼やうがいをする。
3)喘息や呼吸器系の病気に罹った児童には、十分に注意する。
4)洗眼やうがいをしても様子が変わらないときや、息苦しさや胸の苦しみを訴えたときには、涼しい通風のある場所で安静にして、医師の診断を受ける。
5)重傷者の場合は 『119』救急通報し救急車を呼ぶ。

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