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保険衛生マニュアル

就労準備型放課後等デイサービス トランジットジュニアの「保険衛生マニュアル」のページです。

はじめに

このマニュアルは、児童の健やかな育成を保障するため、日々の健康状態の観察・怪我・事故等のあらゆる危機に対し、的確かつ迅速に対応又は予防するために必要な事項、また医療機関との連携を定めて、児童の健康の保持増進を図ることを目的とする。
支援者(職員)は、ひとりひとりの子どもの命を守る立場を明確にし、自覚をもって療育にあたり、ひとりひとりの発達を保障できるように、日々の健康観察とその対応を熟知し、また安全な生活環境の場を整える必要がある。

I 毎日の健康状態の観察

(1) 受け入れ時、下記の項目について観察する。

【 顔 】
顔つき・顔色・表情・活気・ボーッとしていないか・目やに・眼充血・鼻水
【 全身 】
機嫌・爪の長さ・熱・皮膚の状態(発疹 とびひ等)

  1. 職員の目で観察するが、保護者から子どもの食欲、睡眠、便、外傷などの聞き取りをしたり、児童の身体に触れるなどしてよく視る。
  2. 来所時から具合の悪い児童を受け入れた場合は、緊急時の連絡先を確認しておく。連絡が取り難い場合、保護者から連絡を入れてもらう。

(2) 療育中の観察は、下記の項目を参考に継続して行う。

【 耳 】
耳垂れや浸出液・痛がる・聞こえにくい様子はないか
【 鼻 】
鼻水・鼻づまり・くしゃみ・息づかいが荒い・いびき
【 目 】
目やに・眼充血・涙目・見えにくい様子はないか
【 胸 】
咳・ゼーゼー音・ヒューヒュー音
【 口 】
口内炎・唇の色
【 皮膚 】
湿疹・水いぼ・とびひ・発疹・ぶつけた痣・傷
【 全身 】
発熱・活気・表情
【 おなか 】
便の状態・嘔気・嘔吐

  1. 個々の児童の日常の平熱を把握・確認し、平熱より1℃以上の発熱(目安38℃)の場合、お迎えを依頼する。
  2. 気付いた症状や受診の必要があると判断した場合は、保護者に伝え、対応してもらう。
  3. 下痢便や黒、赤、白色の便に注意し、おかしいと思った便は流さずにビニール袋に取っておき、保護者が受診時、主治医に診てもらう。
  4. 感染症の疑いがある場合は、軽々しく病名を口にせず、医師の診察を勧める。
    (感染症対応マニュアル参照)

II与薬について

1 与薬についての注意点

「医療行為」になる為、原則として児童への与薬は行うことができない。

  1. 内服薬は保護者が飲ませることが基本であることを説明する。
  2. 可能な限り、主治医に1日2回(朝・晩)の 処方をお願いしてもらう。
  3. 薬は1回分のみを預かる。(水薬は1回分を別容器に入れてもらう)
  4. 医師の処方した薬のみとする。
  5. 間違いのないように気をつけて与薬する。
  6. 座薬・目薬・外用薬の投与は行わない。
  7. 症状を判断しての与薬は行わない。
  1. 熱性けいれん時の坑けいれん剤は、保護者が希望した場合のみ預かる。
  2. 保護者に、主治医からの指示を熱性けいれん指示書に記載してもらい、座薬とともに管理者が預かり、職員全員で管理する。
  3. 抗けいれん剤を使用する場合は、保護者に連絡をし確認をしてから、管理者又は児童発達管理責任者の立ち会いのもと担当職員が挿入する。
  4. 座薬挿入後は、一時的に多少の眠気、ふらつき、時に興奮状態になることがあるので、挿入後は安静にしてお迎えを待つ。
  5. 新年度時、保護者に主治医からの指示の再確認を依頼し、新しい指示書を提出してもらう。同時に、座薬の有効期限の確認をしてもらい、期限切れの場合は交換してもらう。

Ⅲ 怪我や事故の予防・対応について

1 怪我や事故の予防・対応

※ 職員は下記の対応を熟知し、迅速で適切な対応に心掛ける。

外傷

〖基本〗

  • 観察する。(すり傷、刺し傷などの傷の種類を察知する)
  • 清潔にする。
  • 止血する。(血液には直接手を触れないように、ゴム手袋などを利用する)
  • 消毒、薬剤塗布をする。

① すり傷 (消毒液:マキロン 軟膏:テラマイシン)

症状

  •  砂や泥で汚れている場合、水道水でよく洗う。
  • 消毒後、救急ばんか滅菌ガーゼを当てる。
  • じわじわ出血している場合は、圧迫にて止血したり、抗生剤(テラマイシン)軟膏を塗布(止血の効果)して滅菌ガーゼを当てる。

※救急ばんは、入浴前に剥がし、入浴後の消毒を保護者に依頼する※

② 切り傷 (消毒液:マキロン 軟膏:テラマイシン軟膏)

  • 圧迫して止血する。
  • 止血したら消毒をして、救急ばんやガーゼに軟膏をつけて当てる。
  • 大きい傷の場合は、止血しながら受診する。

③ とげ (消毒液:マキロン 軟膏:テラマイシン軟膏)

  • 異物が刺さっている場合は、とげ抜きで取る。
  • 消毒をして、救急ばんを当てる。
  • ④ 刺し傷 (消毒液:マキロン 軟膏:テラマイシン軟膏)
  • 感染症や破傷風菌の危険が高いので、消毒液ができるだけ奥に入るように、傷を開くようにして消毒をして、滅菌ガーゼを当てる。
  • 汚い場所で受傷した時は、必ず受診する。その際、保護者に三種混合接種を確認する。

⑤ 咬みつかれた傷 (消毒液:マキロン 軟膏:テラマイシン軟膏)

傷がない場合

  • 水道水で洗ってから冷やす。
  • ヒルロイド軟膏を塗布する。

傷がある場合

  • 水道水で洗い、消毒し、抗生剤軟膏をつけた救急ばんを当て、その上から冷やす。
  • 動物に咬まれた場合は、消毒後、受診する。

⑥ 打撲を伴う傷 (消毒液:マキロン 湿布:パテックス)

  • 傷の手当てをしてから、打ち身の手当てをする。
  • ガーゼを当てた上から、冷湿布をする。

打撲

〖基本〗 

  • 観察が第一である。(部位・意識・顔色・冷や汗・眼球・鼻孔・耳孔などからの分泌物)
  • 冷やす。

① 頭を打ったとき

症状

1)打った後、元気に普通にあそんでいる場合(数日間は機嫌・頭痛・嘔吐・意
識・徐脈に注意する)。
⇒ 静かに寝かせて頭を冷やして様子を見る。上記の症状があれば、脳外科に受
診する。

2)打った後、数分間意識がなく、そのあと気がついた場合(気がついたあと、
もう一度意識が朦朧としてきた場合は、頭蓋内出血を考える)。
⇒ 静かに水平に寝かせ、顔を横向けにする。すぐに脳外科に受診する。

3)意識がなく顔面蒼白、冷汗、眼球の変化(つり上がったり、共同偏視)鼻孔・耳孔からの分泌物のある場合。
⇒ 急を要する。みだりに動かさない。顔を横にして分泌物を拭き取る。救急車で脳外科に受診する。

② 腹を打ったとき

1)打った後、元気にあそんでいる場合。
⇒ 要観察

2)激しく痛みを訴える。顔色が悪くなる。冷汗が出る。吐き気がある場合。
⇒ 布団に横向けに寝かせ、様子を見る。症状が続けば、総合病院に受診する。

3)意識がない、吐く、腹が痛くなった場合。
⇒ 急を要する。すぐに救急車で受診する。顔を横にして寝かせ、気道確保する。

③ 胸を打ったとき

1)元気があって、肩腕を動かしても痛くない場合。
⇒ そのまま様子を見る。パテックスの湿布。

2)顔面蒼白、冷汗、激痛のある場合は骨折の疑いがある。
⇒ 患部を動かさないようにして、すぐ外科に受診する。

骨折等

〖基本〗

  • 事故の原因を知る ……… 交通事故か 打撲か
  • 骨折の発見の仕方 ……… 周りの人、又は本人に事故の状況を聞く。健側と比較し、症状によって骨折の有無を調べる。

① 骨折

・ 激痛、変形、腫れてくる、動かせない、しびれてくる、冷汗が出る、気分が悪くなったりする。(骨折部位の上下は動かせないこともあるので、判断を誤らない)
⇒ 患部を動かさないようにして、整形外科に受診する。副木を使用する場合は
患部の上下関節を挟んで固定する。

② 捻挫

・ 動かせるが痛がる。受傷後しばらくして熱を持ち、腫れてくる。皮下出血のあとのように変色してくる。
⇒ 患部を高くする。冷湿布(パテックス)をする。固定包帯をして受診する。

③ 脱臼

・ 肩、肘、指、あごなど脱臼しやすい。全く動かない。無理に動かすと抵抗感がある。痛みがあり、腫れて変形してくる。
⇒ 勝手に整復しようとしない。三角巾などで軽く固定して受診する。

④ 肘内障

・ 子どもの手を強く引いたとき、転んだときに起こりやすい。そのときは痛がって泣くが、しばらくするとあそび始める。元気がよいのに患部側の手を使おうとしない。
⇒ 患部を動かさないようにして、整形外科に受診する。三角巾などで軽く固定して受診してもよい。

火傷

〖基本〗

  • ・ 冷やす(30分程)
  • ・ 火傷が広範囲のときは、ショックと感染の危険がある。

① 火傷1度

・ 皮膚が赤くなる。
⇒ 水道水を流しっぱなしにして20~30分冷やす。
(水から出してヒリヒリしなくなるまで冷やす)
衣服をつけている場合は、その上から冷やす。

② 2度

・ 水疱ができる。
⇒ 1度の手当てと同じ。水疱はできるだけ破らないように滅菌ガーゼで被う。

③ 3度

・ 水疱が破れただれる。
⇒ 1度のときと同じ手当てをするが、感染を起こさないように注意して、滅菌ガーゼで被い受診する。

④ 広範囲(20%以上)

・ 1~3度までの症状が一緒にでる場合がある。
⇒ ショックに注意する。(顔面蒼白、冷汗、嘔気、脈拍微弱、意識朦朧、意識消失)
ショック症状のある場合は、冷やさないで救急車で受診する。

ショック

① ショック

・ 顔面蒼白、冷汗をかく。喉が渇く。意識が薄れる、呼吸が苦しそう。吐き気がする。脈が速く、弱い。皮膚が冷たく、湿っている。
⇒ 仰向けに寝かせ、足高位を取らせる。衣服をゆるめ、全身を毛布などで保温する。
声を掛け、安心させ、励ます。水分を与えてはいけない。
どうしても欲しがる場合は、唇を湿らせてあげる。すぐに救急車を呼ぶ。

誤飲

① 咽頭・気管に詰まったとき

・ 咽頭に異物を詰まらせたときは、眼を白黒させて息を苦しそうにする。気管に異物が入ると、激しく咳をしたり、呼吸が止まって顔色が赤→紫→蒼白となる。
⇒ 呼吸しているか確認する。窒息状態にあるときは、急いで救急車を呼ぶ。
後ろから腰を抱いて、頭と手を下げさせ、背中を強くたたく。
意識が消失したら気道確保、人口呼吸と同時に救急車を呼ぶ。

② 毒物を誤飲したとき (飲んだ時間・経過の記録)

・ 繰り返し激しい吐き気と嘔吐、激しい頭痛、口やのどが焼けるような感じがある。
けいれんを起こしている。意識がない。
⇒ 何を飲んだか確認する。救急車を呼ぶときに、牛乳か水のどちらを飲ませるか、また吐かせてよいものかどうか確認する。吐かせてよいもの(タバコ、医薬品)の場合は、水か牛乳を飲ませて、スプーンの柄や人差し指を喉の奥に入れて吐かせる。
ハイゲンラックスは牛乳・卵を飲ませ受診する。

※吐かせてはいけないもの※
強い酸・アルカリ性農薬・殺虫剤・掃除用洗剤・ガソリン・灯油などを飲み、
口の中がただれているときは吐かせてはいけない。再びのどを通るときに炎症を起こしたり、発生した有毒ガスが肺に入り危険となる。

誤飲(即時性アレルギー)

―アナフィラキシーショックとはー
即時型のアレルギー症状が皮膚症状にとどまらず、呼吸器や消火器など複数の臓器に強い症状が現れることをアナフィラキシーと呼ぶ。さらに血圧低下や意識障がいを伴う症状は「アナフィラキシーショック」といわれ、生命の危険を伴う場合もある。したがって、過去にアナフィラキシーショックを起こした食品を食べた場合は、厳重な観察と早い対応が必要。

① アレルゲンを含む食品を口に入れたとき
・ 口内の違和感を訴えたら、口から出し、口をすすがせる。

② 皮膚につけたとき
・ 触った手で目をこすらないようにさせ、洗い流す。

③ 眼にはいったとき
・ すぐに洗眼する。

④ 皮膚の発赤、蕁麻疹がでる
・ 発赤部や発疹を冷やす。

⇒ 上記すべて、医療機関を受診するよう保護者にお願いするが、症状により救急車を呼ぶ。

口の怪我・鼻出血

① 唇の損傷・ 出血や腫れ。
⇒ うがいをして冷やす。出血は圧迫して止める。

② 歯肉損傷

・ 内出血起こして紫に腫れる。切れて出血する。
⇒ うがいする。出血時は圧迫して止める。

③ 歯の損傷

・ 歯がぐらつく。歯が抜ける。歯が折れた。
⇒ 歯が抜けたり、折れた場合は、汚れが落ちる程度に洗い、牛乳の中に入れ、すぐに受診する。

④ 舌の損傷

・ 切れて出血する。
⇒ 程度により受診する。

⑤ 鼻出血

・ 鼻をいじったり、打撲により出血する。
⇒ 出血している方を圧迫して止血する。

喘息発作

・ 咳が続き、息苦しさの訴えがある。ゼーゼーが聞かれる。酷くなるとヒューヒューやゼーゼーが強く呼吸困難になる。
⇒ 様子を観察し、水分を少しずつ多めにとらせ、お迎えを依頼し、受診してもらう。

異物混入

① 耳の異物

虫の場合
・ ガサガサと音が聞こえたりする。
⇒ 明るい光を当てて、虫を誘い出す。虫が暴れて鼓膜を傷つける恐れがあるときは、耳鼻科に受診する。

水の場合
・ ボアーンとした耳の詰まった感じがある。
⇒ 入った方の耳を下にして、静かに寝かせる。

② 眼の異物

砂の場合
・ ゴロゴロした痛みがある。
⇒ 眼をこすらない。水道の流水でよく洗い流す。湿らせたカット綿棒で除去する。

鉄片・ガラス・木片などの場合
・ 痛みや流涙が止まらない。
⇒ ただちに眼科に受診する。

③ 鼻の異物

⇒ 異物の一部が見える場合は、入っていない方の鼻を押さえて、強くかませる。深いときはいじらないで、耳鼻科に受診する。

虫さされ

① 蜂

・ 痛みが強く、腫れが酷い。
※スズメバチの場合
過去に刺されたことがある場合は、アレルギー性のショック症状に注意する。
(酷く腫れる・めまい・吐き気・息苦しさ)
⇒ 毒針が残っていたら、刺抜きで除去する。患部を水で洗い、消毒後、抗ヒスタミン軟膏を塗り、冷やす。

② 蚊・ダニ

・ 小さい紅斑、腫れ、かゆみ
⇒ 抗ヒスタミン軟膏を塗る。

③ 毛虫・毒蛾

・ かゆみ、発疹、後に蕁麻疹様の皮膚炎が出ることがある・
⇒ こすらないで、テープ等で毛を除去する。シャワーで全身を綺麗に洗う。洋服を交換し、ビニール袋に入れる。抗ヒスタミン軟膏を塗る。症状を見て皮膚科に受診する。

熱中症

① 日射病・熱射病

  • 最も危険な状態。高温、多湿下で吸収熱が放熱量を上回り、急激に体温が上昇し、うつ熱の状態。全身発汗から突然の発汗停止へ。
  • 頭痛、めまい、無気力→意識消失、けいれん

② 熱疲労

  • 夏期の高温環境下での多量の発汗で、脱水症を起こしたもの。
  • めまい、頭痛、一過性の意識障がい

③ 熱けいれん

  • 大量の汗をかき、水だけを飲み塩分不足になり、痛みを伴った筋肉の収縮が起こった状態。
    ⇒ 上記すべて、涼しいところで衣類をゆるめて、足を高くして静かに寝かせる。首や脇の下、鼠径部を冷やし、うちわなどで風を送る。意識がしっかりしていたら、塩分を含んだ水を飲ませ、受診する。
    けいれん、意識がない場合は、救急車を呼ぶ。

※経口補水液の作り方※
水1Lに砂糖小さじ4・塩小さじ半分

ひきつけ・熱性けいれん

① ひきつけ

・ 眼が上がり、歯を食いしばり、体が硬くなる。顔面蒼白、意識消失する。

② 熱性けいれん

・ 熱性けいれんは、体温の上昇をともなう。上、下肢のガクガクとしたけいれん。
⇒ 上記すべて、衣類をゆるめ静かに寝かせる。身体を揺すったり大声で呼んだ
りしない。顔を横に向け、誤飲に注意する。時間を計り、5分以上の発作が続
くときは、救急車を呼ぶ。
ひきつけのようすをよく観察する。

2 職員の心構えについて

  1. 冷静な判断で状況を見極め、素早く対応する。
  2. 症状により管理者に連絡し、手当、運搬を手際よく行う。
  3. 自責の念や責任追及、原因追及は二の次にする。

3 事後の処理について

  1. 事務所で対応した怪我について
    ・ 怪我の内容や注意点を職員が記載し、保護者にその時の状況とともに説明する。特に説明が必要なことに関しては、職員と一緒に管理者が説明する。
  2. 受診した場合の対応
    ・ 受診時の内容を記載し保護者に伝える。
  3. 頭部打撲時
    ・ 注意点を記載した用紙を保護者に渡して、2~3日観察をお願いする。

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